新聞における〈市民〉の声

東京新聞』朝刊の「反響」という、テレビ・ラジオ番組についての投書欄があり、けっこう〈愛読〉している。たとえば、4/28(木)紙上には、5人の読者の投書が掲載されている。65歳・76歳・75歳・68歳・62歳の年齢の人、世代的偏りに関しては不問として、意見の内容・傾向が毎日同じである。歌番組などの娯楽系の番組の場合は、(まるで計算したように)それぞれ反対の意見が載っていることも多いが、報道番組の場合は、必ず反安保関連法・反原発の意見を支持する内容に限定されている。「報道ステーション」をめぐって、相変わらず同内容の二つの投書が採用されている。むろん、この新聞の読者層じたい同一意見の持主が圧倒的に多い可能性もあるだろう。あたかも投書する人たちは、先生の言外の期待を読みとって、「いいぞ」と褒められたく手を上げる教室の「よい子」たちと決めつけることはできまい。
◯以前のような優れたコメンテーターが不在で、単にニュースを伝えることにとどまっている。これでは他局と変わらず、独自性に欠けていると思う。熊本地震収束後の「報道ステ」を見守りたい。(東京都男性・75歳)
◯古館伊知郎キャスターの顔が消えて寂しくて仕方がない。今のキャスターが嫌だというわけではないが、私は現場を常に熱心に取材して伝えていた山口豊アナウンサーになってほしかった。「NEWS23」(TBS)も、岸井茂格キャスターがいなくなり、灯が消えたようだ。「羽鳥モーニングショー」(朝日)のコメンテーター玉川徹さんには、圧力に屈せず、これからも物を言っていただきたい。(水戸市女性・68歳)
「産経ニュース:阿比留瑠比の極言御免」で紹介されている、元外交官宮家邦彦氏の「ジャーナリズムの任務は、相手が権力であれ、非権力であれ、自らが事実だと信じることを人々に伝えることが第一であり、『権力の監視』はその結果でしかないということだろう」との意見には、(『産経新聞』の支持者ではないが)同感である。 
 http://www.sankei.com/premium/news/160428/prm1604280005-n1.html
 (「産経ニュース:阿比留瑠比の極言御免」)