自然の暴力性

 昨日はひさしぶりに理容室(美容室ではない)に行った。やや離れたところにあるのだが、その近くにお気に入りのブーランジェリー・アヴィニヨンがあるので、ウォーキングも兼ねて利用している。途中の空き地に、多くオレンジ色の花が咲いている。ナガミヒナゲシだ。いつもこの季節感動して眺めていたが、たまたま知ったことでは、この植物、繁殖力が強いうえ、他の植物の生育を妨げる(アレロパシー活性が高い、というそうだ)とのことである。驚いた。たおやかに見えた乙女の正体を知らされたような心理となった。
 
『医療タイムズ4/25』掲載、長尾和宏医師の「熊本地震から防災を再確認しよう」によれば、阪神・淡路大震災後被災地でAGML(急性胃粘膜病変)が多発したそうである。その原因が、ピロリ菌の急性感染だったことが判明したとのこと。長尾医師は、おそらくポリタンクに分注された飲料水を介した集団感染ではないかとしている。もともとピロリ菌陰性の人が感染した場合、急性の胃粘膜の炎症を起したということだ。長尾医師は、現地での「飲料水の衛生面の配慮が気になる」と述べている。
 自然の暴力性は怖い。老荘的な〈無為自然〉に身を任せていればよいというわけにはいかないのである。
 http://www.drnagao.com/img/media/iryoutimes20160425.pdf(「『医療タイムズ4/25』:熊本地震から防災を再確認しよう」)