レニ・リーフェンシュタール(Reni Riefenstahl)




 
 昨晩9/9(金)、NHKBSプレミアムの「BS歴史館」で、ナチ政権下で完璧に「美しい」記録映画を撮った、女性監督、レニ・リーフェンシュタールをとり上げていた。昔たしか渋谷のPARCOで、アフリカのヌバ族を撮った写真でその名を知ってから、LDで『意志の勝利』と『オリンピア』を観て、魅せられてしまった。1934年ニュルンベルクで催されたナチ党大会の模様を圧倒的な映像美で撮った『意志の勝利』での、整然と行進する兵士およびその映る影と、無限に林立するナチの旗、そして魅入られたようにヒトラーに畏敬と忠誠の挙手の敬礼をする群衆が、迫力をもって迫ってくる映像であった。危険な美しさといえようか。
 生前レニを長時間インタビューしたことがあるという、瀬川裕司明治大学教授が、ヒトラーの愛人説やナチへの協力に対する糾弾に耐えながら21世紀まで生き延びてきたレニを、「強い人であった」と感想を述べたのには共感した。また、反ナチの立場をとった女優のマレーネ・ディートリッヒとの対比も、面白かった。101歳で大往生したのが、2003年の9/8であった。この折追悼の意を込めて、わがHPにかんたんな記事を載せている。

◆かつてヒトラーの愛人とも噂された映像作家のレニ・リーフェンシュタールがこの8日に亡くなった。享年101歳であったという。ニュルンベルクでのナチ党大会の模様を克明に追った『意志の勝利』は、LDで何度見たことだろうか。ナチズムの社会心理学はこの映像に極まると言ってもよいだろう。彼女は人生は70歳を過ぎてからだと述べ、66歳のときに40歳年下の人と恋をしたそうである。(写真は、レーザーデスク社発売LD『レニ・リーフェンシュタールの世界』より。2003年9/16記)
⦅写真(解像度20%)は、東京都台東区下町民家のヤブラン(薮蘭)。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆