競馬の友を偲ぶ

 今度の日曜日4/24は、いよいよ名古屋グランパス浦和レッズ戰から、Jリーグの試合が再始動。埼玉スタジアムに応援に行きたいところだが、この日は、東京競馬場で延期開催の「皐月賞」レースが催される。迷うところである。
 幸い「桜花賞」は、3連複馬券的中、人気馬決着で大した儲けにはならなかったが、今年もクラシック競争の予想は快調に運びそうである。
 春の競馬シーズンになると、すでに幽明境を異にする二人の競馬仲間を思い出す。同じ2008年に亡くなった二人について記した、わがHP追悼の記を再録し、あらためて偲びたい。そして黄泉の国にて、春のG1レースの、わが予想の結末を見守っていただきたい。

◆この冬に逝去された「魔弾戦記リュウケンドー」や「ウルトラQダークファンタジー」の監督原田昌樹氏とは直接の面識こそないが、氏が主宰の(アンヌ=ひし美ゆり子さまのご紹介で参加することになった)準会員制の競馬予想BBSで、レースの予想・馬券購入を語り合ったご縁があった。「S大王(監督のHN)なら今度のダービーをどう予想するか」と、氏の分析と予想そのものを予想する楽しみがあったはずである。残念でならない。
 そしてもうひとりの競馬の友でもあった作家の鴻みのる氏も、この1月に病死している。大井や船橋の競馬にも通じていた鴻みのる氏と、レースの予想を論じあうのは愉悦の時間であった。寂しい限りである。三島由紀夫研究必携の書らしい『定本三島由紀夫書誌』(薔薇十字社)のための洋書以外の全蔵書目録の作成作業に、黒田夏子氏とともに携わった経過について書いたのが好エッセイ「主なき書斎の中で」(『父と母の昔話―96年版ベスト・エッセイ集』(文春文庫)所収)で、師と仰いだ三島由紀夫の「荒野より」を大好きな作品のひとつとし、「現実の私自身が、どこか暗い荒野からやってきた闖入者」と書いている。競馬を語るときにも、みずからの心の中の「暗い荒野」を、もて余していただろうことを思う。(08年5/26記)
⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町に咲く白花花蘇芳(シロバナハナズオウ)。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆