徳田秋聲の短篇「ファイヤ・ガン」

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 関東大震災直後の某警察署が舞台。爆弾らしき物体をめぐって、テッペレンの飛行船で使った爆弾のアメリカ型の改良品ではないかと、鑑定に招かれた博士は判定するが「Aim at fire」とトリセツにあるので、「いや解りましたよ。何しろ文章がひどく簡単ですからな。解釈の仕様によって、色々に考えられるが、発火させて覘(ねら)えというのが、間違いのないところだ。そうだ。その方が一層適切だ。」と結論。ところが「白い詰襟の若い刑事」が思い当たることがあって、「請願巡査(✼請願で配置された巡査)のところに備えつけてある」ものを持って来ると、はたして同一のもの。「最新式の消火器」だったというオチ。面白いコント(conte)。
 リソグラフ印刷(✼孔版印刷の原理に理想科学独自の技術を融合させた高速デジタル印刷)の、赤池佳江子の挿画がすてきである。

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