尾高惇忠・渋沢栄一孫の二人の学者:尾高邦雄&尾高朝雄

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 NHK大河『青天を衝け』3/7(日)放送回では、日米和親条約が締結され血洗島にもその報が伝わると、尾高惇忠(田辺誠一)は激怒し、従弟にあたる渋沢栄一吉沢亮)に攘夷の必然性を説く。国際情勢が見えないこの頃の認識能力であるからやむを得ない憤怒と見識とはいえ、イライラする場面ではあった。
 尾高家は、栄一の伯母やへ(手塚理美)が嫁いだ家で、やがて栄一はその娘、つまり従妹の千代(橋本愛)と結ばれる。長男尾高惇忠(じゅんちゅう)の義弟となるわけで、ややこしい。さらに、尾高惇忠の次男次郎と渋沢栄一庶子(大内くにとの間の子)文子とが結婚しているので、その子らは尾高惇忠・渋沢栄一共通の孫という関係である。
 さてこの尾高惇忠・渋沢栄一の子孫には多くの人材が輩出している。社会科学に限定すれば、孫に社会学の尾高邦雄(1908〜1993)、法学の尾高朝雄(1899〜1956)がいる。尾高邦雄の『職業の倫理』(1970年7月刊、中央公論社)&『日本の経営』(1970年8月刊、中央公論社)と尾高朝雄の『法の究極に在るもの』(新版1965年刊、有斐閣)は、自分の読書経験では名著である。『職業の倫理』など、いまところどころ読み返しても十分射程距離が届いている。

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