カテリーナロスだ:WOWOW放送『レオナルド〜知られざる天才の肖像〜』全8話終了 

 WOWOWプライム放送の『レオナルド〜知られざる天才の肖像〜』全8話が、昨日の8話で終了してしまった。天才レオナルド・ダ・ヴィンチ(エイデン・ターナー)が愛人のカテリーナ・ダ・クレモナ(マティルダ・デ・アンジェリス)を毒殺したとの嫌疑でミラノで逮捕され、獄中で役人のステファノ(フレディ・ハイモア)から尋問を受け、ついにその無実が明かされるという物語。尋問を通して、レオナルドの出生から「モナリザ」に着手するまでの半生が描かれるミステリー史劇である。
 フィレンツェのヴェロッキオ(ジャンカルロ・ジャンニーニ)の工房で弟子のレオナルドは、たまたまアルバイトでモデルに来ていたカテリーナと運命的な出会いをし、この二人の愛の闘争が主軸となって、随所に知られたレオナルドの名作誕生のエピソードが嵌め込まれる展開。
 ヴェロッキオの工房を追い出されて、レオナルドはミラノに行き、藝術愛好のスフォルツァ家のルドヴィコ公の庇護を受ける。ヴェネツィア大使のベルナルドの愛人となっていたカテリーナと再会。ベルナルドはレオナルドとの関係に気づき、カテリーナを棄てて去り、ルドヴィコ公が彼女を愛人にしてしまう。ここでじつはカテリーナがルドヴィコ公の子を孕んでしまう、というのが悲劇の物語の発端なのである。昔イタリア・ミラノのスフォルツァ城は見学したことがあったので、いっそう興味深く観ることになった。面白かった。
 その暴政ぶりからルドヴィコ公支配のミラノは制圧され、フランスの支配下に入ってしまうが、その隠し子が存在するとわかれば、利用しようとしたり逆に抹殺しようとしたりする党派も出るので、レオナルドを尊敬するに至った役人ステファノの計らいで、じつは生きていたカテリーナは、釈放されたレオナルドと永遠の別れの抱擁を交わしてから、子供ともども馬車で隠密裏に遠く旅立って行く。「この後レオナルドはいま誰もが知っているあの名画を完成させ、カテリーナは歴史の中に消えてしまった」とナレーションがあって終わり。あまりの切なさに涙し、カテリーナロスに陥ってしまった。
 カテリーナ役を演じた女優マティルダ・デ・アンジェリスに魅了され、調べると、何だイタリアの二階堂ふみだ、と思えた。国際エミー賞受賞の『フレイザー家の秘密』という連続ドラマに出演しているとのこと、配信しているU-NEXに近く申し込むか、米国盤DVDを入手したい。

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