追悼・伊豆山健夫先生

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 現在弁護士(NA所属)の愚息が在学していた時代の校長で、ノーベル物理学賞(1991年)受賞のフランスの物理学者ピエール=ジル・ドジャンヌ(ドジェンヌ)とも親交のあった世界レベルの物理学者で、漢学の素養も深く、また下町のおっさんのような一面も持ち合わせていた教育者であった。ある年、生徒会長が生徒会の総意として、校内にペットボトル・缶の飲料を扱う自動販売機を設置してほしいと、昼食時に校長室を訪れ交渉、どちらも興奮してか〈ボス交〉が5時限目を超えて6時限目まで続いたそうである。「設置されれば校外抜け出しがなくなる」との生徒会長の主張に折れたのか、その後校内に自動販売機が置かれるようになっている。
 始業式・終業式での挨拶が二言三言ですぐに終わるので、校長の顔をはっきり知らないまま卒業してしまう生徒がいるいっぽうで、学校の近くにあった校長宅に入り浸りで、以前住んでいたご子息の漫画本を自由に読ませてもらっていた猛者もいたらしい。
 校舎に損壊行為をする生徒の指導に直面している折、それまでは観ることもなかったテレビの、NHK尾崎豊の特別番組を熱心に観ていたとのことである。
 またある時、校門近くでトラックによる通学中の生徒への接触事故があり、それを知った校長は激昂して校門を飛び出し生徒の無事を確かめてからすぐに、コワモテそうな運転手さんを胸ぐらを掴むばかりの勢いで「うちの生徒を殺す気か!」と怒鳴りつけたとのこと。一発殴打されれば華奢な校長は吹っ飛んでただろう。その他卒業生らが懐かしむエピソード・伝説は少なくないようである。こちらは保護者の立場であったので、あまり知らなかった次第。
 ともあれ愚息がお世話になった。ご冥福を祈りたい。

http://mdoi.jp/Tribute_to_de_Gennes.html

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