佐々木蔵之介の秀吉(NHK『麒麟がくる』)

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 この回の秀吉には怖さが漂っていた。明智光秀長谷川博己)が「秀吉殿は動くと早い。早く京を去れ」と三河の忍び菊丸(岡村隆史)に警告した言葉は、本能寺の変直後の秀吉の神懸り的行動を暗示しているが、口の軽い密偵を迅速に配下の者らによって処分している時の佐々木蔵之介の秀吉はじつに怖さがあった。
 すぐに思い出したのは、ルーマニアのグロテスク・リアリズムの演出家シルヴィウ・プルカレーテ演出『リチャード三世(RichardⅢ)』での、グロスター公リチャードを演じた佐々木蔵之介の演技であった。むろん歴史上も演劇上も秀吉とリチャードは何も重ならない。ただこの舞台での演技経験が、怖さを醸し出す秀吉像造形に生きているとは言えるだろう。

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