【ちょい足し麒麟】
— 【公式】大河ドラマ「麒麟がくる」毎週日曜放送 (@nhk_kirin) 2020年11月24日
第33回に登場した能の演目は、天女が華やかに舞う「羽衣」です。
京にひとときの平和が戻り、一見みやびで美しい天女の舞をにこやかに見る将軍義昭と筒井順慶たち。しかし、彼らが平和だと思っているものが、さらなる争いの火種に・・・#麒麟がくる pic.twitter.com/BM4jIeZ5y2
天野文雄氏の『能楽手帖』(角川ソフィア文庫)によれば、『羽衣』の天人(シテ)は、羽衣を返してくれた漁夫白龍(ワキ)に応えて、三保の松原から眺められる三保が関、富士、清見潟をはじめとする景観を天上さながらの美しさだと称え、当代は善政が津々浦々に行きわたり、御代も永遠だとして「霓裳(げいしょう)羽衣(うい)の舞」を舞う。美景賛美が、治世への賛美となっているとのことである。11/22(日)のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』は、正親町天皇(おおぎまちてんのう:坂東玉三郎)の詔にて、織田軍と朝倉・浅井軍とのしばしの和平が成立、将軍足利義昭の前で能の『羽衣』が上演されるという展開であった。シテの天人を舞ったのは、坂 真太郎師(観世流)。このドラマ4回目の登場である。シテの天人は、立物(✼飾り物)を付けた天冠の天女の出立である。美しい。
『羽衣』の生の舞台は、1975年3/13文京区・水道橋能楽堂(現宝生能楽堂)にて、シテ:松本恵雄(しげお・宝生流)、ワキ:森茂好(しげよし)、ワキツレ:野口敦弘・森常好、笛:藤田大五郎、小鼓:住駒明弘、大鼓:柿原崇志・柿本豊次で、観劇している。