NHK大河ドラマ『麒麟がくる』で能『羽衣』

 

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   天野文雄氏の『能楽手帖』(角川ソフィア文庫)によれば、『羽衣』の天人(シテ)は、羽衣を返してくれた漁夫白龍(ワキ)に応えて、三保の松原から眺められる三保が関、富士、清見潟をはじめとする景観を天上さながらの美しさだと称え、当代は善政が津々浦々に行きわたり、御代も永遠だとして「霓裳(げいしょう)羽衣(うい)の舞」を舞う。美景賛美が、治世への賛美となっているとのことである。11/22(日)のNHK大河ドラマ麒麟がくる』は、正親町天皇(おおぎまちてんのう:坂東玉三郎)の詔にて、織田軍と朝倉・浅井軍とのしばしの和平が成立、将軍足利義昭の前で能の『羽衣』が上演されるという展開であった。シテの天人を舞ったのは、坂 真太郎師(観世流)。このドラマ4回目の登場である。シテの天人は、立物(✼飾り物)を付けた天冠の天女の出立である。美しい。

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『羽衣』の生の舞台は、1975年3/13文京区・水道橋能楽堂(現宝生能楽堂)にて、シテ:松本恵雄(しげお・宝生流)、ワキ:森茂好(しげよし)、ワキツレ:野口敦弘・森常好、笛:藤田大五郎、小鼓:住駒明弘、大鼓:柿原崇志・柿本豊次で、観劇している。