大島弓子「ミモザ館(やかた)でつかまえて」を読む

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 庭の隅でヒメコブシの花が一輪だけ咲いて終わったが、じつはここにはミモザが植えられていた。枯れてしまったので、辛夷というわけにもいかず、小さな木のヒメコブシを植えて、いまに至っている。

   ミモザの花が懐かしくなり、「ミモザ館でつかまえて」収録の大島弓子『自選選集1』(メディアファクトリー)を取り寄せ、本日届く。さっそく読む。「つるばらつるばら」同様、ひょっとしてミモザの花は物語にあまり関係ないのではと心配したが、亜麗という青年が下宿用に年上の美しい女性(結果的には館主の青年の高校の学級担任)に貸すことにした部屋が、庭の満開のミモザがいちばん眺められる部屋という設定で、ふたりの燃えるような純愛の背景として生かされている。ほんわかさととぼけたところがミックスされた雰囲気は、独特で面白い。
 わが庭でこれまで枯れてしまったのは、ミモザのほかに、クロモジ、マンサクがある。土があわなかったのかも知れない。

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