小さな本の展覧会「荒俣 宏 展」開催中!荒俣宏氏が蒐集してきた蔵書の一部をクラブ ライブラリーに展示、氏が貼った付箋の残る本や雑誌を手に取って読むことができます。2019年9月末日迄(土・日・祝日を除く)開催予定 8:30~19:30 #荒俣宏 #平凡社 #出版クラブホール・会議室 pic.twitter.com/Tz8Pfpkl5b
— 出版クラブホール (@eoZE0LO0Iu6KIaA) June 24, 2019
荒俣宏さん著作本では、3冊を愛蔵している。『稀書自慢 紙の自慢』(1991年初版、定価2600円、中央公論社)の「まえがき」には、「書物は読むためばかりでなく、見るためにも造られる。本書で言及される書物は、いまだに日本で紹介されたことのない16-20世紀の美本であり、本書は 〈見られるために生まれてきた世紀の美本〉をもつ楽しさを訴えることを目的に書かれた。いつか、あなたも、このような美しい書物を抱きながら、瞑想の世界に遊んで欲しい。本書の著者は心からそう願う」とある。ビブリオマニアとしての荒俣宏さんの夢と蒐集の基準が凝縮されている。氏が熱愛するゲルダ・ヴェゲナーのエロティックな手彩色の挿絵をはじめ、紹介・掲載されている図版を眺めるだけでも愉しい。
『フローラの神殿』(1985年初版、定価8500円、リブロポート)は、イギリスの植物学者R.J.ソーントンの『TEMPLE of FLORA』(1812年)の復刻版で、第Ⅰ部「リンネ分類学と植物の愛」、第Ⅱ部「ロバート・ソーントン伝」、第Ⅲ部「『フローラの神殿』の成立」の編著者による解説が付け加わって、この「古今東西のあらゆる植物図鑑を見わたしても、これほどロマンティックで劇的な背景が付された図鑑は類を見ない」美麗な大冊となっている。その一つ「ベニゴウカン」は、アメリカ産の巨大なネムノキの絵画、ジャマイカの鳥ハチドリが2羽、花の周囲を飛びまわっている。この絵が最高であろうか。「象潟(きさかた)や雨に西施がねぶの花」(芭蕉)の合歓の花とは、印象が違っている。面白い。
『世界大博物図鑑➊[蟲類]』(1991年初版、定価16000円、平凡社)は、文字通りわが愛蔵の書籍。「虫=昆虫」ではなくあえて「蟲」の図鑑としたのは、虫偏の蟹・蝦・蜘蛛なども含めたからである。