注目すべき批評同人誌

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『G-W-G』03号は、「天皇/制と文学」を特集している。W-G-WならぬG-W-Gつまり負の記号(minus)としての貨幣の物神性を誌名としているのであるから、資本主義への根源的批判を前提として、連関して存在としての天皇と制度としての天皇制を/で〈連結〉させて、そこにおける文学を論じている。個人的には、絓(すが)秀実氏の「自由と民主主義! われらコソ泥たち」が面白く、議論成立の根拠としているフロイトの「トーテムとタブー」がたとえ歴史的事実に関する分析ではないとしつつも、どうであるのかとの疑問が残るが、刺激的である。いま座談会の『浅利慶太と「天皇/制」』を読んでいるところ。ジャン・ジロドゥ研究家の間瀬幸江さんが参加していて、大いに勉強になる。劇文学軽視ないし無視の文藝批評誌など一流とは言えまい。

 

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『脈』101号は本日届いたばかり。村上一郎の「未発表日記」と論考「学生運動現象学」が掲載されている。特集の勝連敏男という詩人の名は初めて知った。

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