チャイコフスキーの『悲愴』をひさしぶりに聴く

 昨日午後9時〜のNHKEテレクラシック音楽館』は、<MARO’sセレクション N響 伝説の名演奏>として、イーゴリ・マルケヴィチ指揮1983年1/21演奏、チャイコフスキー作曲、交響曲第6『悲愴』を放送。ひさしぶりに『悲愴』を愉しんだ。
 これまでの放送 - クラシック音楽館 - NHK

 高校生のころわが高校の国語教師であった野山嘉正氏の御宅を、学校を中退した友人とともに〈電撃〉訪問した折、「この演奏は名演奏だね」と嬉しそうに言って夥しいLPレコードのなかから1枚選んで掛けてくれたのが、ジャン・マルティノン(Jean Martinon)指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団演奏の『悲愴』(ロンドンffssレコード)であった。感動し、後日影響を受けてこのレコードを買い求め、繰り返し聴いたたことであった。野山先生は、母校の大先輩でもあり在学中はクラスのトップの成績を譲らなかったそう(当時担任の話)で、同窓の落ちこぼれに演出家のかの蜷川幸雄がいたのは面白い。先生はたんに音楽のおそらくよき聴き手であるのみならず、みずからフルートも吹いていた。何回か同じ友人(その後失恋自殺)と無礼にも〈電撃〉訪問をしていたが、野山先生はその後山梨大学助教授を経て東京大学文学部教授(近代文学)となり、現在は同名誉教授である。


『悲愴』のLPレコードでは、ほかに、ムラヴィンスキー(Mrawinskij)指揮、レニングラードフィルハーモニー演奏のものと、クラウディオ・アバド(Claudio Abbado)指揮、ウィーン・フィルハーモニー楽団演奏のもの、併せて2枚も所蔵している。同じウィーン・フィルハーモニー楽団の演奏でも、アバド指揮のと、マルティノン指揮の『悲愴』とは印象が大いに異なる。初めの『悲愴』体験があまりに強烈だったので、アバド指揮のは冷徹ともいえる運びで、これが『悲愴』かと戸惑ったほどだった。ムラヴィンスキー指揮のチャイコフスキーは、昔(1973年6月)第5の来日公演を東京文化会館ホールで聴いている。
 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20160613/1465820360(「ムラヴィンスキーカラヤンと:2016年6/13 」)
 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20180119/1516342373(「エフゲニー・ムラヴィンスキー没後30年:2018年1/19 」)