わがワーグナー体験

「わがワーグナー体験」などとたいそうな標題を掲げたが、過去の乏しい鑑賞歴を整理しただけである。ワーグナーオペラを鑑賞するには、金と体力がなければ無理、こちらにはどちらもないので、これから出向くこともあるまい。もっとも、競馬で大万馬券でも的中すればわからない。一つの楽器演奏もできず、そもそもオペラの批評能力はないのである。

「石原藤樹のブログ(元六号通り診療所所長のブログ)」は、医療をめぐる臨床研究を紹介していて、大いに勉強させてもらっているが、いっぽうブログ主は舞台藝術にも造詣深く、愉しく読める。



(1983年5/8ベルリン国立歌劇場タンホイザーNHKホールにて)
……個人的にはワーグナーは結構エッチだと思いますし、東京・春・音楽祭の「パルジファル」演奏会式上演で、魔女のお姉さんが舞台の正面にズラッと並んで誘惑の声を聴かせた時には、絶対これがワーグナーの意図通りの効果だ、と感じました。……(前掲ブログ)
 第1幕第1場のヴェーヌスベルクの洞窟でのバッカスの巫女たちの妖しく荒々しく踊り狂う場面、日本公演の舞台では、裸ではなく黒いシースルーを纏っていた。瞬間〈失望〉したことをよく覚えている。作家で昭和女子大学教授であった故鈴木助次郎氏が、神田明神会館で催されたパーティーの後の近くの喫茶店でのお喋りで、「ルネサンスには、『タンホイザー』に出てくるヴィーナス(ヴェーヌス)崇拝のような異教崇拝があるんだなア」と語っていたのが印象的であった。こちらは、「シースルー」のことを話そうとしたが、黙った。
 http://www.jiten.info/dic/europa/primavera.html(「プリマヴェーラ primavera」)


1984年5/13ハンブルク国立歌劇場『ローエングリンNHKホールにて)

※トリスタン=ゲルト・ブレンアイスに変更
(1986年4/10ウィーン国立歌劇場トリスタンとイゾルデNHKホールにて)



(1987年3/28ベルリン国立歌劇場ニュルンベルクのマイスタージンガーNHKホールにて)




(1987年10/17ベルリン・ドイツ・オペラ『〈ニーベルングの指環〉序夜「ラインの黄金」』神奈川県民ホールにて)