50年前の二代目中村吉右衛門



 二代目中村吉右衛門が1966(昭和41)年10月襲名興行してから2度目の舞台出演が、同年12月国立劇場での『通し狂言・菅原伝授手習鑑第二部』であった。少年のころ、母のお伴で歌舞伎座国立劇場の歌舞伎公演にはよく通ったものである。国立劇場公演は、通し狂言なので一つの狂言の筋立てを理解するのには絶好の機会を提供してくれた。中村吉右衛門は、その後テレビ時代劇『鬼平犯科帳』の長谷川平蔵役で親しみをもつことになった。