モダン・ダンスの源流:マーサ・グラハム


 4月1日は、モダン・ダンスの先駆者とされるマーサ・グラハム(マーサ・グレアム:Martha Graham)の命日(1991年4/1没)にあたる。マーサ・グラハム舞踊団の舞台は、1回だけ観ている。マーサ・グラハム生誕(1894年5/11生誕)100年記念の来日公演(1995年5/17、東京新宿文化センター大ホールにて)である。プログラムは、Bプログラムで、「グラハムの生涯」、「異端者」、「サチュロス祭の歌(『舞歌』より)」、『「ヘリオス」太陽崇拝(『光のはたらき』より)』、「心の洞穴」、『年代記』3部構成であった。
 動画『年代記: Chronicle』第1部=「恐怖:Specterー1914」のダンサーは、キャサリンクロケット(Katherine Crockett)。そのときは、キャサリンクロケットは、6人のPrincipal Dancersの一人ではなかった。当日は、テレーズ・カプチーリ(Terese Capucilli)。
 片岡康子(当時お茶の水女子大学教授)氏が、公演パンフレットに書いている。
……現代芸術の展開サイクルは早まり、60年代のものは70年代には早くも否定され、80年代には新たな潮流が起こるといった具合である。モダンダンスの歴史においても同じことが言える。目覚ましいほどに舞踊現象は変幻し、アンチ・グラハムともいえるポスト・モダンダンスの反内面表現を経て今日再び内面表現の新たなステージに到達した。20世紀舞踊芸術は、グラハムの強力な内面表現の技法と様式を定点に、「人間にとって舞踊とはなにか」を問い続けて流転したといえよう。……(p.43)


⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町民家のヒマラヤユキノシタ。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆