春の香り:草餅を食べる

 白髭橋を渡った橋場にある介護老人ホームに母を見舞った。この3月でいよいよ白寿を迎えたが、思いのほか元気で、杖で施設内は歩けるし、耳も少し大きな声で話せば会話に支障はない程度に聞こえる。たまには甘いものも食べたいとのことだったので、錦糸町駅構内自由が丘「モーツァルト」のマドレーヌを土産に持参した。今度は果物がいいとのことだった。定期的に医師の診察もあるようなので安心できる。声の小さい人や認知症の人の言動を真似たりして笑わされた。まだだいじょうぶのよう。
 ホームを退出し、橋を渡り墨堤通りを白鬚神社を過ぎ暫く歩いて、目的の和菓子屋「向じま 志”満ん草餅」に。ここの草餅を買うのがかつては春の恒例であった。たしか千葉県の農家と契約していて、そこからヨモギ仕入れている。ひさしぶりの訪問。店はリフォームされていて瀟洒な雰囲気。連れは餡入り、こちらは餡なし、きな粉・シロップ付きをそれぞれ2個ずつ購入した。生ものにて、本日中に食べないといけないとのこと。
 帰宅してさっそくいただいた。ヨモギのかすかな香りが漂い、春の到来を寿いだしだいである。
 餅草や砂渦の立つ曲り道 犀星(『室生犀星句集・魚眠洞全句』北国出版社より:3/25犀星忌に記事追加)
 http://jimankusamoti.com/index.html(「向じま 志”満ん草餅」)


向いのきびだんごの店
⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町民家の椿。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆