「東京クヮルテット(Tokyo String Quartet)」ラストコンサートを聴く


 昨晩5/16(木)は、東京オペラシティコンサートホールで、「東京クヮルテット(Tokyo String Quartet)」の5/15〜5/21、大阪・東京・横浜・京都でのラストコンサートにあたる演奏会を聴いた。曲目は次の通り。

 アンコール曲は、1.モーツァルト弦楽四重奏曲 第20番・K499「ホフマイスター」 第2楽章メヌエット 2.ハイドン弦楽四重奏曲 第74番「騎士」 第4楽章
 http://www.mirai.ne.jp/~nal/mozart_K499.htm(『モーツァルトホフマイスター」解説』)
 鑑賞能力の低いこちらは、コダーイの「弦楽四重奏曲 第2番」のところで少し睡魔に襲われたが、休憩を挟んでのベートーヴェンの「弦楽四重奏曲 第14番」は、全7楽章の中断なしの多楽章演奏にも関わらず、「パガーニ・カルテット」のストラディヴァリウスが奏でる音の美しさと、各楽器の音の調和、そして起伏と変化のもたらす愉悦に酔うことができた。 

 周知のように、「東京クヮルテット」は、ジュリアード音楽院に集った日本の若き音楽家4人によって1969年に結成され、ヴィオラの磯村和英以外は、メンバーの入れ替えを経験して今日に至っている。第2ヴァイオリンは、1974年から名倉淑子に変わって池田菊衛(きくえい)が担当し、解散の今日までそのままである。
 昔「ジュリアード弦楽四重奏団」の来日コンサートを聴いて以来、あまり室内楽を生で聴いていないし、語る資格はむろんない。たまたま京都のホテルで手にとった「京都新聞」4/16(火)夕刊紙上で、結成時のチェロ奏者だった原田禎夫氏のことばが紹介されていて、記憶に残った。
……「多い年には年間に130回も演奏した」という人気だった「東京クヮルテット」。「完全にブランド化していた」(※音楽評論家渡辺和彦氏)が、日本での知名度は、欧米ほどには高まらなかった。原田禎夫は「日本はオーケストラ志向。室内楽の演奏会を定期的に開くホールもほとんどない。本当はクラシック音楽の基本、一番素晴らしい部分なのですが」と嘆く。……
 http://ny1page.com/2013/01/25/kiku01252013/(「東京クァルテットの池田菊衛」)
 http://jfn.josuikai.net/semi/koyukai/honda/TKY_quartet.htm(「東京クヮルテットを聴く」)
 http://www.radical-imagination.net/2009/05/43_1.html(「高校同窓のヴァイオリニストとピアニスト」)

弦楽四重奏曲集 ~ ドヴォルザーク : アメリカ | スメタナ : わが生涯より (Dvorak : Quartet no.12, op.19, American | Smetana : Quartet no.1, From My Life / Tokyo String Quartet) [SACD Hybrid] [輸入盤・日本語解説書付]

弦楽四重奏曲集 ~ ドヴォルザーク : アメリカ | スメタナ : わが生涯より (Dvorak : Quartet no.12, op.19, American | Smetana : Quartet no.1, From My Life / Tokyo String Quartet) [SACD Hybrid] [輸入盤・日本語解説書付]

⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町民家の白妙菊(セネシオ・シネラリア=Senecio cineraria:「セネシオ」も「シネラリア」も老人の白髪を意味するラテン語由来。「東京クヮルテット」の磯村氏、池田氏ともに白髪、ここにふさわしい。)小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆