(わが蔵書から、『定本詩集』&『初期詩篇』。)
4/13(金)のBSフジ「プライムニュース」で、「追悼企画:吉本隆明の現代日本における意味」を放送していた。めずらしく番組を初めから終了まで視聴。ゲストに三浦雅士氏、芹沢 俊介氏の二人。芹沢 俊介氏の著作はあまり読んでいないが、三浦雅士氏の書いたものからは、とくに舞踊について多くを学んでいるし、上野文化会館大ホールで、たしかシルヴィ・ギエムだったかの公演でお姿も間近で拝見している。かつて文京区千石駅近くに勤務していたので、職場近くの新書館に「ダンスマガジン」を買い求めたこともあった。こちらの勝手で、三浦雅士さんには親しみを感じていたわけである。
石原慎太郎氏の感想から始まり、現代詩「佃渡しで」の一聯がテロップで流された。詩人吉本隆明の生活者としての原点が佃島にあることを示唆した構成で、好感がもてる。ただ6行目「ずっと昔からそうだった」と8行目「水は𪐷くてあまり流れない 氷雨の空の下で」の間には、「〈これからは娘に聴えぬ胸のなかでいう〉」が挿入されてあるところが、カットされていた。あえてそうしたのか?
品よく美しい島田彩夏アナウンサーが、『転位のための十篇』中の「ちひさな群への挨拶」を朗読した。抒情の硬質性を壊さないように、それほど感情移入しない読み方で感動した。解説委員の小林泰一郎さんは、「対幻想」をちゃんと「ついげんそう」と読んでくれたので安心。キャスターの反町理さんも、妙に納得したように進行させなかったのはよい。
二人のゲストの発言には、この詩人への大いなる敬愛が感じられ、参考になること少なくなかった。
http://www.bsfuji.tv/primenews/caster/sorimachi.html(「プライムニュース」)
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