「ピンク・フロイド・バレエ」




 7/10に「踊りの魔術師」ローラン・プティRoland Petit)が亡くなったそうだ。ベジャールピナ・バウシュほど、その来日公演を観てはいないが、2004年2月、「牧阿佐美バレエ団」の『PINK FLOYD BALLET』を振り付けた舞台は、観ていて夢のようなひとときであった。その折のわがHPの記事を再録し、このフランス人振付家を偲びたい。
◆2/7(土)は、渋谷NHKホールで、牧阿佐美バレエ団公演、ローラン・プティ振付「ピンク・フロイド・バレエ」を堪能した。プログレピンク・フロイドと古典バレエとのcollaborationという、これまでの想像外の試みが、完璧に成功している。ひとつひとつの動きと音とが違和感なく合致し、その躍動の美に酔いしれる贅沢な時間を味わえた。藤田博史氏は、「ヨーロッパでは、その想像的身体は、さらに象徴的身体にまで昇華されています。ダンス、パントマイム、会話における身振りや手振りなど、こちらはきわめて象徴的な身体動作として機能しています」と述べているが、群舞は部品である個々人の踊り手を統合した象徴的身体として動き回り、たとえばひとりの上野水香はその身体各部品をまとめた象徴的身体として、一頭のアゲハチョウのように一瞬のためらいも無駄も見せずに舞うのであった。2F・C14列の35席にて鑑賞。(2004年2/8記)
simmel20.hatenablog.com