2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

人生の折り返し

人生にも折り返し点があるとしても、マラソンコースのそれとは異なり、そこからの「還り」の走り方=歩き方は「往き」とは変わるべきなのだろう。読み始めてすぐ「あ、これは仏教(釈尊の教え)だな」と気づかせる、中村仁一氏の『大往生したけりゃ医療とか…

W玄:山本玄峰と田中清玄

(http://www.geocities.jp/kbcmh/sub2.html) わが所蔵の掛軸「萬古清風」を揮毫した、静岡県三島市龍澤寺の山本玄峰老師の膝下(しっか)で修行したとの田中清玄著『田中清玄自伝』(文藝春秋)を読む。ジャーナリスト大須賀瑞夫氏の(2年間にわたる)イ…

如月のころ・花々との遭遇

鴨長明の『方丈記』が成立したのは、「建暦の二年(ふたとせ)、弥生の晦日(つごもり)ごろ」で、これは、西暦1212年3月末日にあたるから、今年は成立800年の年ということになるそうである。混迷・混乱の世を生き抜くためにも体力が必要である。鴨長明は、…

「書縁千里」というほどではないが

文学的香気漂うサイト「作家秦恒平の文学と生活」の「e-literary magazine」に、いまは亡き国文学者・文藝評論家の長谷川泉氏の「書縁千里」というエッセイが収録されている。医学書院の役員でもあった長谷川泉氏が、そこにかつて勤務していた秦恒平氏に、蘭…

宝くじと『コールドケース』

宝くじ発売のTVニュースを観ていて、惜しくも終了してしまったWOWOW放送の刑事ドラマ『コールドケース』シーズン4のエピソード18「宝くじ」(2008年11/8放送)を思い起こした。HP記載の記事を再録したい。 (Lilly Rush刑事役のKathryn Morris) ……「WOWOW …

歌人吉村睦人

「新アララギ」代表歌人の、吉村睦人さんの最新歌集『夕暮の運河』(新現代歌人叢書74・短歌新聞社)を贈られた。吉村さんは、永く開成学園の国語科教諭&教頭の職を勤めてから、私立青稜中高等学校の校長を経て、現在は各短歌講座の講師の任にあたっている…

福田恆存生誕100周年

(『龍を撫でた男』は、昭和27年池田書店より発行の初版本。『キティ颱風』は昭和25年創元社より発行の初版本で旧生松敬三所蔵本。ともに入手は2003年3月龍生書林より。) 今年は、福田恆存生誕100周年にあたるそうで、その戯曲作品の舞台公演がいくつか企…

ローザンヌ&コンテンポラリーダンス

「ローザンヌ国際バレエコンクール」で、神奈川県私立和光高校2年の菅井円加(まどか)さんが優勝したとのことである。古典のみならずコンテンポラリーダンスにも卓越した技量があり、そのジャンルでも将来に意欲があるとのこと。頼もしい。さて国内では、…

またぞろ「オクシデンタリズム(西洋嫌い)」

I.ブルマ&A.マルガリート共著・堀田江理訳『反西洋思想』(新潮新書)は、近代以降の西洋文明の優勢の過程で生まれた「オクシデンタリズム(西洋嫌い)」の思潮と運動を、その論理構成と感情の両面において広い視野で捉えている。ともすれば日本の近代化=…

バルザック「ランジェ公爵夫人」を映画で鑑賞

(仙台市「古本屋451」にてネット入手) 先日(1/18)NHKBSプレミアム(13:00〜)で、バルザックのわが大好きな小説「ランジェ公爵夫人」を原作とした、ジャック・リヴェット監督の映画が放映された。かつて東京神保町岩波ホールで上映されたとき見逃してい…

柳家喜多八を聴く

昨晩は、正月最後の高座、柳家喜多八の「喜多八膝栗毛・冬之声」を聴いた。落語研究会の月例鑑賞会。参加は10名。会場は、東京銀座博品館劇場。番組は、前座に林家はな平(二つ目)の「鮑熨斗(あわびのし)」、喜多八の枕と区別のつかない噺、そして「味…